ChatGPTのDeep Researchの出力結果をもとに、修正を加えました。(2025.3.2 定者吉人)
条文
- 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める (日本語(1)児童の権利に関する条約(政府訳) | 子どもの人権連)。
- 締約国は、障害を有する児童が特別の養護についての権利を有することを認めるものとし、利用可能な手段の下で、申込みに応じた、かつ、当該児童の状況及び父母又は当該児童を養護している他の者の事情に適した援助を、これを受ける資格を有する児童及びこのような児童の養護について責任を有する者に与えることを奨励し、かつ、確保する。
- 障害を有する児童の特別な必要を認めて、2の規定に従って与えられる援助は、父母又は当該児童を養護している他の者の資力を考慮して可能な限り無償で与えられるものとし、かつ、障害を有する児童が可能な限り社会への統合及び個人の発達(文化的及び精神的な発達を含む。)を達成することに資する方法で当該児童が教育、訓練、保健サービス、リハビリテーション・サービス、雇用のための準備及びレクリエーションの機会を実質的に利用し及び享受することができるように行われるものとする。
- 締約国は、国際協力の精神により、予防的な保健並びに障害を有する児童の医学的、心理学的及び機能的治療の分野における適当な情報の交換(リハビリテーション、教育及び職業サービスの方法に関する情報の普及及び利用を含む。)であってこれらの分野における自国の能力及び技術を向上させ並びに自国の経験を広げることができるようにすることを目的とするものを促進する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する)。
用語の解説
- 障害のある子ども(精神的又は身体的な障害を有する児童):身体的または知的・発達障害など何らかの障害がある18歳未満の子どもを指します。第23条は、このような子どもたちも他の子どもと等しく基本的人権を有し、その尊厳が守られるべき存在であることを強調しています。ここでいう「尊厳の確保」とは、障害のある子どもが差別や偏見なく尊重されることを意味します。
- 適切な援助(適した援助):障害のある子どもとその家族が受けることのできる特別な支援やケアのことです。条文では「当該児童の状況及び…事情に適した援助」と規定されており、子どもの障害の種類・程度やその子を養育する者の状況に合った支援を指します。例えば、医療的ケア、リハビリ、カウンセリング、教育上の特別な配慮、経済的支援など、その子に必要で無理のない形の援助を意味します。各国は利用可能な資源の範囲で、援助を申請した障害児とその保護者に対し、このような適切な支援が提供されることを確保する義務があります。
- 完全な社会参加(社会への積極的な参加 / 社会への統合):障害のある子どもが地域社会の一員として当たり前に受け入れられ、積極的に活動・参加できることを意味します。第23条は、障害児が社会から隔離されるのではなく、教育や遊び、文化活動などあらゆる社会生活に参画できるようにすることを求めています。これは、単に社会に存在するだけでなく、健常児とともに学び遊び将来は働くなど、社会の中で役割をもち自己実現できることを含みます。「社会への統合及び個人の発達」が達成されるためには、教育・医療・リハビリ・就労準備・レクリエーションなどへのアクセス保障が不可欠であり、これらを通じて子どもは能力を最大限に発達させ、自立した生活につながっていきます。
第23条の重要ポイント
- 障害のある子どもの生存と生活の質:障害のある子どもは、他の子どもと同様に尊厳が守られ、自立が促される環境の下で、十分かつ適切な生活水準を享受する権利があります。これは障害の有無によって生活の質が不当に損なわれないようにするという意味です。
- 特別な保護と支援を受ける権利:障害のある子どもには、特別な保護(ケア)を受ける権利があります。国は可能な範囲で資源を動員し、障害児とその保護者の申請に応じて、その子の状態や家庭の事情に適合した援助(例:介助サービス、補装具の提供、専門教育など)が適切に提供されるよう奨励・確保しなければなりません。
- 包括的なサービスへのアクセス保障:提供される援助は原則無償で行われることが求められます(保護者の経済状況に応じて可能な限り無料)。また、その援助の内容は、障害のある子どもが教育・職業訓練・医療・リハビリ・就労準備・遊びや余暇などのあらゆる機会を実質的に利用できるようにするものです。これにより、障害児が社会に統合され、自らの潜在能力を最大限に発達させることが目指されています。
- 国際協力の推進:障害児の権利保障のためには各国の協力も重要です。第23条は、特に医療、保健、リハビリ、教育、職業訓練などの分野で各国が適切な情報交換や技術協力を行い、自国の能力向上と経験共有を図るよう求めています。これは発展途上国のニーズに配慮しつつ、世界全体で障害児の権利促進に取り組む趣旨です。
子どもの権利委員会の最終所見からの具体的事例
国連の子どもの権利委員会(CRC)は加盟国の報告審査の中で、第23条に関連する課題や改善勧告を**最終所見(Concluding Observations)**において指摘しています。以下に、第23条の重要ポイントに関連する具体的な事例をいくつか引用し、それぞれが第23条のどの点に関係するかを解説します。
- 社会から隔絶された障害児(事例:アルバニア):「委員会は、障害のある子どもの状況について懸念を表明した。その多くが主流社会から完全に排除され、自宅に閉じ込められた状態で貧困の中に暮らしており、事実上自らの権利を享受することを可能にする効果的な方策や戦略が欠如している。」この所見は、障害児が社会参加の機会を奪われ孤立している現状への憂慮を示しています。尊厳ある十分な生活や社会参加を保障すべき第23条1項の理念が達成されていない典型例であり、必要な支援や方策(第23条2項・3項)が欠如していることへの国際的な指摘です。加えて、「教育が専門施設・学校中心で、教師の技能や設備も不十分」との指摘もあり、インクルーシブ教育の欠如によって障害児の社会統合が阻まれている実態が示されています。
- インクルーシブ教育の促進(事例:ヨルダン):子どもの権利委員会はある国の審査において、障害児を社会に統合するための教育面での措置を強く勧告しました。「全ての障害のある子どもが幼児期教育および通常の学校でインクルーシブ教育を受けられるよう、カリキュラムを適合させ、統合学級に専門の教師や専門職員を配置することによって確保し、障害のある子どもや学習上の困難を抱える子ども一人ひとりが十分な支援と配慮を受けられるようにする。また校内のインフラにつき合理的配慮を提供すること。」これは第23条が求める教育へのアクセス保障と社会への完全な統合を具体的に推進するための勧告です。障害児が特別支援学校だけでなく通常の学校に受け入れられることで、健常児と共に学び成長する機会が与えられ(社会参加の促進)、個人の発達が最大化されるという第23条の精神に沿った改善策と言えます。このように委員会は各国に対し、第23条の履行として包摂的な教育環境の整備や差別的取扱いの是正など具体的措置を取るよう勧告しています。
日本の取り組みと課題
子どもの権利委員会の最終所見では、日本の障害児が依然不利益を被っている状況が取り上げられました。委員会は「障害のある子ども(知的障害を含む)がその権利の享有において依然として不利な立場に置かれており、教育制度やレクリエーション・文化活動などにも十分統合されていない」ことを懸念しています (JAPAN: Children’s Rights References in the Universal Periodic Review | CRIN)。実際、日本では障害の程度によっては特別支援学校など分離された環境で教育を受ける子どもが多い現状があり、インクルーシブ教育の更なる推進が課題とされています。委員会からも、日本政府に対し通常学級への障害児受け入れ拡大や教員の研修強化、バリアフリー化の促進(合理的配慮の提供)など、第23条の精神に即した包摂的教育システムの整備を求める声が上がっています。また、地域によって支援サービスの質や量に差があること、障害児や家族への社会的な偏見が残ることなども指摘されており、これらへの対応は今後の課題です。