第12条の論点整理:2014~2024年の国連子どもの権利委員会の最終所見から


以下は、ChatGPTを用いて調査した結果です。検証が必要ですが、参考のため提供します。(2025.2.7 定者 吉人)

はじめに

児童の権利条約第12条は、子どもがそれぞれのやり方で自由に「思い」をあらわす権利と、その思いがその子どもの年齢や成熟度に応じて十分に考慮されることを定めています。この権利は子どもの意見表明権とも呼ばれ、子どもの権利条約の基本原則の一つです。国連子どもの権利委員会は各国の条約実施状況を定期的に審査し、「最終所見」として改善勧告を発表しています。本報告では、2014年から2024年に委員会が発表したOECD加盟国6か国(イギリス、フランス、スウェーデン、フィンランド、ニュージーランド、日本)の最終所見において、第12条に関連して指摘・勧告された論点を整理します。また、委員会の一般的意見も踏まえ、各国の特徴や共通するトピックを抽出しながら分析を行います。

本報告では「views(意見)」の訳語として「思い」を用い、「子どもが自由に思いをあらわす権利」などと表記しています。

各国の審査結果概要(第12条関連)

イギリス(英国)

イギリスに対する審査では、子どもの思いが意思決定に十分反映されていないとの懸念が示されました。初回の審査時には、社会全体における子ども期への不寛容や子どもに対する否定的な態度が根強く、子どもの意見が軽視されがちであると指摘され、子どもの思いを考慮する法的義務の導入が求められました。また、多くの子どもが日常で関わる専門職者(社会福祉士、里親、教師など)に「自分は聞いてもらえていない」と感じていることから、子どもの思いを日常的に尊重する文化を醸成する必要性が述べられました。

最新の審査では、子どもの意見があらゆるレベルの決定で体系的に考慮されていない点が改めて指摘されています。特に、年少の子ども、障害のある子ども、社会的養護下にある子どもの声が十分に反映されていないことから、全ての子どもが自分に影響する決定において思いを表明し、それを考慮してもらえる権利の保障が求められています。さらに、家庭、地域社会、学校、地方・国家レベルの政策立案過程への子どもの積極的参加を推進するため、ユース・パーラメントなど子ども・若者の参加機構の整備や、子どもに関わる全ての専門職が子どもの思いを適切に汲み取る研修の制度化が提案されています。

フランス

フランスに対する審査では、子どもの思いを聴くための国内法・政策は整備されつつあるものの、その実施の徹底が求められました。特に、子どもが関与する法的手続において意見表明権が実効的に保障されるよう、社会福祉士や裁判所による子どもの声の聴取体制の確立が強く求められています。

また、児童虐待や被害児童への配慮として、子どもに優しい聴取環境(例:専門の受け入れユニット)の整備が評価され、これらの取り組みを全国で一貫して活用するよう拡充が勧告されました。加えて、子どもと関わる専門家への継続的な研修や、一般社会への意識啓発を通じて子どもの思いの重要性を広く認識させることも推奨されています。

スウェーデン

スウェーデンでは、一見すると子どもの意見尊重が進んでいるように見えるものの、実務上は子どもの思いが十分に考慮されていない領域が存在することが指摘されました。特に、両親の離婚後の親権・監護や面会、社会サービスの調査、難民認定手続において、子どもの意見聴取が不十分であるとされ、法律上の規定における例外条項の撤廃が強く求められました。

また、法律上認められた意見表明権を効果的に実施するための体制整備が勧告され、社会福祉士や裁判官が常に子どもの思い尊重の原則に従うようなシステムの整備が指摘されました。

フィンランド

フィンランドに対する審査では、子どもの思いが決定に体系的に組み込まれていない点や、法制度上の年齢制限が問題視されました。特に、児童福祉法における意見表明の機会が一定年齢以上の子どもに限られていることが、全ての子どもへの思いの反映を阻害しているとされ、年齢に関係なく子どもの意見を聴取し考慮するための法改正が求められました。

また、全ての自治体に若者評議会等の参加機構を設置し、家庭、地域社会、学校での意義ある参加を促進する仕組みの整備、加えて裁判官や教師など子どもに関わる専門家が適切な研修を受けることも強く提案されています。

ニュージーランド

ニュージーランドでは、家庭裁判所や児童保護機関において子どもの思いが十分に反映されていない点が問題視され、具体的には親権・監護、児童保護措置、少年司法、移民・難民手続など多岐にわたる場面で子どもの意見表明の仕組みの整備が求められました。

  • 親権や監護に関する裁判、児童福祉上の措置、少年司法、移民・難民手続、環境に関する意思決定などで、子どもの思いが確実に聴取され反映されるようにすること。
  • 子どもへの諮問を義務づける法律の実施状況を評価し、的確な子どもの意見聴取の実施を検証すること。
  • 家庭裁判所で子どもの代弁者が必ず子ども本人と直接面会し、意思を確認すること。
  • 司法及び行政手続において子どもの意見表明権が侵害された場合に、子ども自身が苦情や上訴を申し立てられる仕組みを整備すること。

また、先住民族であるマオリやパシフィカ系の子どもなど、脆弱な立場の子どもに対する特別な配慮が求められています。

日本

日本に対する審査では、子どもの思いを表現する権利の実現に関して深刻な懸念が示されました。政府による法改正や制度整備の試みは評価されるものの、現実には子どもの思いが十分に尊重されていないと厳しく指摘されています。

委員会は、子どもが自らの思いを自由に表現し、その意見が意思決定に反映される仕組みの整備を強く求めています。具体的には、年齢による制限なく全ての子どもに意見表明の機会を与えること、意見を述べたことで子どもが不利益を被らない環境づくり、さらに家庭、学校、施設などあらゆる現場での子どもの参加機会の拡充が課題とされています。

日本独自の背景として、伝統的な上下関係や大人の指示に従う文化が子どもの思い表明を阻害している可能性が指摘され、こうした文化的・制度的障壁の解消と、子どもの権利を守る独立機関の設置などが求められています。

共通する重要トピックの分析

各国の最終所見から、以下の共通する重要トピックが浮かび上がりました。それぞれのトピックにおいて、具体的な指摘事項や改善勧告が示されています。

1. 法制度と実践のギャップ

多くの国で、子どもの意見表明権が法律上認められているにもかかわらず、実際の運用が十分ではないという問題が指摘されています。各国とも、既存の法律の実効性を確保するための具体的行動計画や制度整備、現場での運用の監督と評価が強く求められています。

2. 年齢に関係ない子どもの「思い」の尊重

委員会は、年齢を理由に子どもの意見表明の機会を制限してはならないと強調しています。各国とも、幼い子どもであってもその思いを表現できる環境を整え、子どもが自らの意思で意見を出せるよう支援することが求められています。

3. 司法・行政手続における子どもの声の尊重

家庭裁判所や行政手続など、子どもの生活に大きな影響を与える場面で、子どもの思いが十分に聴取され反映されるよう、明確な手続きの整備が求められています。具体的には、子どもの代弁者の面談義務化や、子どもの意見表明権が侵害された場合の救済措置の整備が含まれます。

4. 政策立案・社会参加への子どもの参画

各国で、子どもの個別案件だけでなく、政策立案や社会全体の意思決定プロセスにおいても子どもの参加を促進する仕組みが求められています。子ども評議会やユース・パーラメントなどの参加機関の強化、また意見を聴いた後のフィードバック体制の確立が重要な課題です。

5. 子どもが安心して「思い」を表現できる環境作り

子どもが遠慮せず自由に思いを表現できる環境を整えることも共通のテーマです。大人社会の意識改革や、子どもが安心して意見を述べられる環境作り、さらにはプライバシー保護や心理的配慮を含む安全な環境の確保が必要とされています。

6. 専門家の研修と意識啓発

子どもと関わる専門家への研修や大人全体への啓発が、子どもの思いを適切に汲み取るためには不可欠です。各国で、子どもの権利や思いを尊重するための実践的スキルの習得、また子ども自身が自分の権利を理解するための教育が強く求められています。

7. 脆弱な立場にある子どもの思いのくみ取り

障害のある子ども、社会的養護下にある子ども、先住民族・少数民族の子どもなど、脆弱な立場にある子どもの声を特に尊重し、支援する措置が求められています。これらの子どもたちが、自らの思いを十分に表現できるよう、代替的コミュニケーション手段の提供や、支援体制の充実が必要です。

8. 権利侵害時の救済とフォローアップ

子どもの意見表明権が侵害された場合の救済措置や、継続的なフォローアップの仕組みも各国共通の課題です。独立した子どもの権利擁護機関の役割強化や、定期的な評価・報告体制の整備を通じて、子どもの思いの尊重が持続的に実現されるよう求められています。

おわりに

2014~2024年における6か国の最終所見を比較すると、子どもの「思いを表現する権利」の尊重は、国の文化や制度に関わらず改善の余地がある普遍的な課題であることが明らかになりました。各国で具体的な状況や優先課題は異なるものの、法と実践のギャップの是正、年齢や障害に関係なく全ての子どもの声の保障、司法・行政手続における子どもの参加、政策立案への参画、安全に意見表明できる環境づくり、専門家の研修、脆弱な子どもへの配慮、そして権利侵害時の救済とフォローアップという共通の論点が浮かび上がります。

委員会の一般的意見が示すように、子どもの思いを聴くことは、子どもの発達を促し、より良い意思決定に結びつく重要な要素です。各国政府のみならず、社会全体が子どもの思いを真摯に受け止め、より効果的な対応を進めることが求められています。日本においても、他国の先進的な取り組みを参考にしつつ、伝統的な文化的・制度的障壁を乗り越え、子どもの思いが十分に反映される社会の実現を目指す必要があります。

本報告で整理した論点を踏まえ、子どもの権利条約第12条の実現に向けた各国の取り組みがさらに進展することを期待します。子どもの最善の利益を考えるためにも、子どもの思いを尊重する社会の実現は、未来のより良い意思決定への第一歩です。