子どもの権利条約とは、1989年に国連でつくられた、子どもの権利を実現し子どもをしあわせにするための国際条約で、世界中の196か国がこれを守ると約束をしています。日本も1994年にこの条約に参加しましたが、それから30年以上たった今も、子どもの権利条約を知る人は少なく、子どもの権利が実現しているというには程遠いのが現実です。
子どもにもおとなにも子どもの権利条約を知っていただきたくて、やさしく翻訳してみました。こちらをクリックしてください。
地域社会で子どもの権利条約を広めるために活動するひとを子どもの権利条約プロモーターと呼びます。
子どもの権利条約プロモーターは、子どもの権利条約を学び、条約に書かれた原則や子どもの権利を子どもにもおとなにも広め、子どもの権利条約が地域社会のあらゆる場面で実現されるよう、取り組みます。
子どもの権利条約の基本原則と条文を広め、子どもの権利条約に書かれた権利が尊重され、実行されるように活動する子どもやおとなは、誰でも子どもの権利条約(CRC)プロモーターと名乗ることができます。
CRCプロモーターの特色
- 明確な目標: 子どもの権利条約の普及と実現という明確な目標を持ち、活動を行う。
- 子どもの権利条約につき専門的な知識を持つ: CRCプロモーターは、子どもの権利条約に関する深い知識を持ち、条約の内容を正確に伝えることができる。
- さまざまな手段・方法による、具体的な活動: 子どもの権利条約を広めるためのイベントの企画・実施や広報など、様々な手段、方法により、子どもの権利条約を広める。
- 多岐にわたる活動分野: 社会のさまざまな分野でそれぞれの立場や技術、専門性を活かして活動する。
CRCプロモーターの活動
- 子どもの権利条約の条文に基づき、子どもの権利条約の4つの一般原則と個別の権利を子どもにもおとなにも広める。
- 地域社会で、様々な立場の人に、子どもの権利条約に関するワークショップやセミナー、キャンペーンを行い、子どもの権利に関する社会的な意識を高める。
- 子どもの権利が侵害されていないか、監視し、連携して権利侵害の発生を未然に防ぐ。
- 子どもの権利実現のための施策の実施を提唱し、その裏付けとなる法律や条例の制定をめざして取り組む。
CRCプロモーターの活動の具体的な例
子どもの権利条約プロモーターは、地域社会で様々な活動を通じて子どもの権利条約を広め、子どもの権利実現を推進します。以下に、具体的な活動事例を紹介します。
1. 子どもの権利条約の情報を発信する
- イベントやキャンペーンの企画・実施:子どもの権利条約に関するイベントやキャンペーンを企画し、地域の子どもとおとなへ条約の存在や意義、内容などを知らせる。
- SNSやウェブサイトなどを活用して広報活動:メール、SNS、Youtube、ウェブサイトなど各種ITツールを活用し、子どもの権利に関する情報を発信する。
- メディアを活用して広報活動:新聞、テレビ、ラジオなどのメディアを通じて、子どもの権利に関する情報を発信する。
- 資料の作成と配布:子どもの権利条約に関するパンフレット、チラシ、報告書、その他の資料を作成し、学校や行政機関、地域の団体、地域住民に配布する。
2. 子どもの権利条約について、地域社会の理解を深める
- 講座や研修の実施:地域社会のさまざまな立場の人(特に職業として、あるいは親として子どもに日々関わる人)が子どもの権利条約を知り理解するための講座、研修、ワークショップ、ロールプレイングを実施する。
- 学校や地域社会との連携:学校や行政機関、地域の団体などと連携して活動する。
- 子どもの権利に関する情報提供:地域社会に活動の拠点を設け、情報提供をおこなったり、子どもの権利に関する相談を受ける。
3. 子どものビューの反映の促進
- 子どもとおとなのワークショップや話し合いの実施:権限を持つおとなが参加し、子どもが安心して自由にビュー=気持ちや願い、意見=を形成表明し、表明された子どものビューが政策決定やおとなの行動に反映される機会となるような場を作る。
- 子どもが表明したビューを整理した資料の作成と活用:作成された資料は先に述べた子どもとおとなのワークショップで用いる他、子どもに日々関わる人が子どものビューを知り、理解するために活用する。
- 子どものビューの表明を支援する独立アドボケイトの活動:独立アドボケイトにより子どものビューの表明を促進し、子どものビューが子どもに関わる政策決定やおとなの行動に反映されることを支援する。
4. ネットワーキング
- 地域における子どもの権利実現のためのネットワーク構築:子どもの権利に関して活動している民間の団体や個人(NPO、専門家など)、行政機関(都道府県・特別区・市町村や児童相談所など)、学校などとネットワークを構築し、役割分担をしつつ協力して子どもの権利を実現する。
- 子どもの権利条約プロモーター講座の修了者のネットワーク:日本の各地からCRCプロモーター講座に参加し修了した者が情報交換や協力を行うネットワークを形成し、互いの活動に役立つ情報(活動資金や必要なリソースの入手方法など)を交換したり事例検討等などを行うなどして学び合い、イベントやワークショップ、相談会などの実行を相互に支援したり共同で企画実行したりして成果を共有するなど、互いの活動が効果的に持続するよう協力し合い励まし合う。